ホテルになんとかたどり着き、七転八倒の末、小一時間ほど休憩しておりましたところ、だいぶ落ち着き、多少の悪心はあるものの、乳酸菌が体内の戦いを制したようでした。

手持ちのビオフェルミンの残量が僅かになったため心配になり、ホテルのスタッフに薬局がないか伺いましたところ、近場の薬局はあるにはあるが、漢方系のサプリのようなものしかないので、少し離れているが、日本の会社の薬のある日薬本舗がいいとのこと。
「日本の薬のほうが効きます」という、中医学と漢方薬に新たな地平を求めていた私の思いをさくっと却下するかのようなご提案をいただきまして、教えていただいた行天宮駅近くの日薬本舗の方まで歩いて行くことにしました。


しかし行天宮駅まで歩いている途中で、たった一泊の台北の夜の大事な時間を薬局往復で費やしている場合ではないと感じ、急遽右折すべきところを左折し、庶民的な台湾シャンプーのお店”采悦 ”に行くことにしました。

こちらのお店、私はHanakoだったか、おしゃれ系雑誌の台湾特集で、おしゃれ系の方がご紹介されているのを見たのですが、どうなんでしょう、最初にこちらのお店に入った方は、なかなかのチャレンジャーなのではないかなという・・・一見するとそんな印象です。


写真を撮り忘れたのでgoogleストリートビューで失礼します。


私が訪れた時(平日夜)は、他にお客さんもいらっしゃらなかったこともあり、予約も何もなしで、すぐに受け付けてくださいました。

マッサージなども驚くほどリーズナブルなのですが、自分の体調が、今はいろいろチャレンジしたくない気分だったため、30分の”快速洗髪”(スピードシャンプー)180元(約700円)をお願いすることにしました。


タオルを首にまき、乾いた髪におもむろに泡立てたシャンプーをつけていきます。
ところどころケチャップのような入れ物で水を足しつつ泡立てていく方法で、なかなかにダイナミックですね。

なんでしょうか、私、長年、「髪をこすり合わせないように洗いましょう」みたいな意識があったのですが、まあそれはそれとして、「”台湾式シャンプー”ってよくガイドブックに書いてあるけれどただのシャンプーだよね」と油断していると、「おおこれが台湾式か!」と感じるものがありました(※ただし庶民派バージョン)。

途中途中で頭皮の指圧マッサージが入り、気持ちがいいです。


そして、台湾式シャンプーといえば、髪の毛アート?が特徴?ですが、1回髪の毛を持ち上げるくらいかなと思っておりましたところ、担当してくださったおじさまは、サービスなのか8種類くらいの髪の毛アートをつくってくださって、そのたびに「はい写真!」と声をかけてくださるだけでなく、タイミングが悪いと「遅い!やりなおし!」とダメ出しまではいるという・・・。

すべて写真が残っているのですが、ただ角のように持ち上げるバージョン、平らにもちあげる、サザエさん、ソフトクリーム、くじら、プリッツェルのような形、うさぎ、ミッキーマウス・・・。
何度もやり直しがはいっているため20枚くらいあるんですけど何なのこれ・・。

夕暮れ時、台湾の、昭和初期な感じの街の美容院で、髪の毛をミッキーマウスの形にしてもらい、写真を取るおばちゃんマダム・・・。シュール・・・。
何でしょう、もう、先程体内で乳酸菌が毒素に打ち勝ったばかりの私としましては、サービスがすごすぎて・・・。

これは”くじら”なんですけど、この頃になると私、「本当に本当にありがとうございます!でももう十分です!」というような心持ちになっており、そして30分コースのはずが、すでにこの時点で30分が経過しており、もしかして、この状態で終了になるなんていうことある?という若干の不安も感じました。


このまま泡を拭くだけだったらどうしようと思っていましたが、もちろんそんなことはなく、一応、やや腹筋が必要なタイプのシャンプー台に移動して、流水で洗い流してくださった後に、ものすごく念入りなブローが続きました。

30分のスピードコースのはずが、かれこれ1時間超、さっらさらのつやつやな髪になりました。
それでこのお値段とは申し訳なく、200元を出して「おつりはいいです」と日本語で言ってみたのですが、普通にお釣りをいただいてしまいました・・。

おすすめかというと、人によります。
日本のこじゃれたサロンに慣れている方には、「ええ?そうくる?」という驚きの瞬間があると思います。
”台湾式シャンプー体験(※ただし庶民派)”という点では、リーズナブルでとてもおすすめです。

私は近くに宿泊したら次回も行きたいです。