鼎泰豊で食べることができず、そしてお腹も空いていないのですが、これで空港に直行するのはあまりにももったいない。
近くにどこか見るところがないかなと思い、グーグルマップで検索しましたところ、空港へ向かうMRTの途中駅である中山國中站に、”台湾股票博物館”というものがあるらしいことがわかったので、寄ってみることにしました。


中山國中站で降り、そういえば、この駅近くに、リーズナブルで、かつどの旅行サイトでも評価がとても高いことが気になっていた三つ星ホテル、City Inn 新驛旅店復興北路店があったなと思い、チェックしてみることにしました。
外から眺めただけですが、想像していたよりも落ち着いていてスッキリしている印象のホテルでした。台北松山空港からも駅からもとても近いし、セブンイレブンもすぐそば、周囲に飲食店も多くて、便利ですね。
agodaだと7000円以下で宿泊できる日も多く、コスパ重視の私が、むしろなんで今回このホテルに宿泊しなかったのかなと思いました。次回の候補ですね。・・・結局候補がどんどん増えてきます。台北はホテル探しも楽しいのですが、1ヶ月くらい毎日違うホテルを渡り歩いて暮らしたいです。


駅の方に少し戻り、横断歩道を渡って、博物館を探します。看板のようなものはあるのですが、見当たらないな〜とうろうろしているとビルの警備員の方が、どうしたのか尋ねてくださいまして、ビルの中にあるということが判明しました。

普通のオフィスビルの3階にあります。会社員の方々でいっぱいのエレベーターに、旅行用のスーツケースを転がしながら乗り込みました。
すでにその時点で、ちょっと「やっちゃったかな・・・」と思いつつも、3階で降ります。

3Fにはそれらしき看板があり、奥に入口もあるのですが、人影はありません。
ドアを押して中にはいってみますと、ピンポンピンポン、ベルが鳴っています。
コンビニ等に入るときの入店音の激しいバージョンのようなイメージですね。なんなら警報といってもいいかもしれません。

すると、誰もいないように思えた館内から、若い女性、そして男性の方、計6人位がいっせいに駆け寄っていらっしゃいました。
・・・ひーーーっ・・・・・私、何かやってしまいました?
入ってはいけなかった?

かなりドキドキしつつ、「アイムソーソーリー・・・ここは博物館ですか?」と質問。
”Is this a pen?”に匹敵する間抜けさなのですが、”博物館”というものから予想しているエントランスとは若干異なると申しますか・・・。


こじんまりとした館内には、台湾の証券業の歴史等の紹介展示があるのですが、何がすごいって、案内の方の熱心さがすごいです。

駆け寄ってきてくださった6名の中の一人の男性が、
「日本から来たんですか?わたし、日本語、勉強してます」と、おっしゃいまして、その後、懇切丁寧な、説明をいただきました。
そして、私がその方から説明いただきながら見学している後ろを残りの5名の方もついてきてくださっているという・・・・・。

あれですかね。皇室の方とかが様々な地をご訪問されるときって、もしかしたらこういうお気持ちなのかなと・・・
(たいへん失礼なことを申しまして、申し訳ございません)

あとから気がついたのですが、夏休みなので、もしかしたら大学生のインターン?の方だったのかもしれません。

ただ、おそらく、わざわざ日本からここに来るとは、何か強い興味関心があってと思われたのかと思いますが、違うんです。
特に、深い目的もなければ、知的向上心すらもない・・・。
心の中で「はまった・・・」と思いつつも、ものすごく親切な方々の説明を遮ることもできず、台湾における証券の歴史等につきましての学習をさせていただきました。

「証券を知っていますか?」からスタートしますので、お子さんにもとてもわかりやすいのではないかなと思いますが、おすすめかおすすめでないかと言えば、短期の台湾家族旅行におきましては、後者です。


かれこれ、1時間近くご説明をいただきまして、まだまだ続きそうだったのですが、非常に残念ながら帰路の便の時間が迫っているということをお伝えしまして、お礼を言って退室したのですが、廊下で、少し年配の女性の方が駆け寄っていらっしゃいました。

「もう帰られてしまうのですか?説明はわかりやすかったですか?日本からいらっしゃったんですか?ご帰国はいつですか?」

非常に丁寧に説明していただき、わかりやすかった旨と、4時の飛行機で帰国することをお伝えしましたところ、

「それなら、飛行機の時間までまだありますから、お茶を飲みながらここでゆっくりされていけばいかがですか?お話でもしませんか?

・・・・・えっ・・・?

いやいやいやいやいや。

これって、”ぶらり旅”系番組では、一つの盛り上がる場面なわけですよね。ここで、そのお誘いに乗らないところが、私のだめなところなのだろうとは思いますし、なぜとっさに断ってしまったのかと後々自問したりもしましたが、そうはいっても時間もそれほどありませんし、丁重にお断りさせていただいた所存です。


台湾の博物館にいらっしゃった方々のあまりの親切さにたじろぎつつも、静かに感動しました。

京都では「ぶぶ漬けでもいかがですか?」=「早く帰りなさい」という意味があると言われますよね。
台湾やベトナムでは、”親切”の範囲を軽く超えて親切にしていただいたことが何度もあって、そのたびに、これは裏があるのではないか・・・と思うくらいには、すれている私ですが、特になさそうなんですがなんでこんなに親切なんでしょうか・・・。

「お・も・て・な・し」をうたう日本でも外国人旅行者の方がそう感じてくださることがあったらいいなと思っています。

とりあえず私は、常日頃から①道に迷っていそうな人に話しかける、②写真を取ろうとしている方に「撮りましょうか?」と声をかける、というおせっかい精神を心がけており、息子たちが一緒にいるときはかなり嫌がられています。