自衛隊活動について学んだ後は、呉から空港直通バスに乗り、広島空港へ向かいました。
当初の予定、「広島空港→呉→呉泊→宮島→広島→空港」という旅程が、反対周りになったことで、最終日”広島市内で夕食にお好み焼きを食べる”という予定がなくなり残念に思っていたのですが、空港にもお好み焼き屋さんがあるということで早めに行きました。
微妙な場所にある微妙な規模の広島空港ですが、空港には、牡蠣、ラーメン、お好み焼きと、「広島といえばこれ」という食が揃っています。

早速お好み焼き屋さん”みっちゃん”へ行ったのですが、まさかの1時間待ち!です。
しかしながら広島に来てお好み焼きを食べないで帰るということはできないので、仕方なく待つことにしました。

フードコートのようなところに面しているお店だったのですが、激混みでフードコート内に席が見当たらなかったために、店内で待たせていただくことにしました。しかし、あたりまえなのですが、熱い鉄板の真ん前なので、サウナですか?という熱さでした。どんどん焼けていく美味しそうなお好み焼きを前にして、サウナの中で、1時間というのは、なかなかの試練でしたね。

この旅行、特に大きなハプニングもなく、可もなく不可もなくといった感じで比較的淡々と時間が過ぎていき、あえていえば、社会科見学要素が強かったのですが、ここでも「お好み焼き屋さんのバイトも結構な肉体労働だ」ということも学ぶことができました。

1時間待ちの後のお好み焼きはとても美味しく、満腹で暑すぎる店内から出たときの爽快感もなかなかのものでした。


そんな中、スマホにANAから搭乗予定便の遅延の連絡がありました。
直前の予約でしたので、当初は復路は最終便しか空席がなかったのですが、最終便だと羽田着が11時でちょっと遅いなと思い、予約後も一晩中30分おきくらいにチェックして、執念で一つ前の便の空席をゲットしたのですが、この遅延により、最終便(688便)よりも乗る予定だった686便が遅い出発に!
え・・・そんなことってある・・・?

最終便が定刻で出発して、その前の便がそれよりも遅くなるってどういうこと?と思いながらも、取り残された遅延便の乗客たちはただただ待つしかない状況です。
誰も騒いだり暴れたりしない民度が素晴らしいです。

そして、広島空港、8時にはお土産屋さんも売店も閉まる仕様らしく、お腹がすいても小腹を満たすものもなし。。。。そんな中で燦然と光り輝いていたのが、もみじ饅頭の自動販売機です!

広島、もみじまんじゅう推しが顕著でした。いたるところで売っていて、思わぬところにすかさず入り込んできています。これでもかっていうくらいの味のバリエーションに加え、揚げてみたり、冷やしてみたりと、饅頭の進化の限界にチャレンジしていて、なんでもないまんじゅうでも、ここまでいけるんだ・・・という学びがあります。
普段夫に、出張土産として「もみじ饅頭とういろうは絶対買ってこないで」と言っているにも関わらず、毎回買ってくるので、この人ってほんと成長がないなと思っていたのですが、それが”もみじ饅頭”であることに気が付かずについ買ってしまうような罠がはりめぐらされていることを知りました。

だたっぴろい空港の出発ロビーにて、5分、また5分と遅延時間が伸びまくる飛行機を待つ人々の前に、食料が自販機のもみじ饅頭しかない!という状況に、生存本能が刺激され、気がつくと我々も買っていました・・・。恐るべし広島の陰謀。我々は運良くお好み焼きをいただくことができましたが、「出発ロビーで空弁でも買って食べながら待とう〜♪」などとのんびりしていたら最後、広島旅行の夕食がもみじ饅頭ですよ。

ANAも自社の飛行機が遅れているんだからANAショップは開けておくべきでは?とか、688便に686便の乗客を乗せるべきでは?などとブツブツ言っていると、「年取ると文句が多くなるって言うけど、本当なんだね」と長男に言われ、むかっとしながらも、たしかに苛ついても仕方ないことに文句を言うのはやめようと反省した次第でございます。

そして、一生分のもみじ饅頭を食べた頃、たしか22時10分頃(定刻20:10分)やっと搭乗できることになりました。乗客もやれやれといった感じで搭乗。大変なのは親子連れで、小さいお子さんも眠いし、赤ちゃんもぐずりまくっていました。そりゃそうですよね。

我々が気になるのは終電。普段乗り換えに使っている山手線の駅からのタクシーは決定しているものの、なるべくなら電車で行けるところまで行きたい。
そのためには、羽田発23時48分の品川行き京急に乗りたいのです。順調に行けば、11時20分くらいに到着しそうというアナウンスがあり、なんとか間に合いそうだと安心し、一眠りしているうちに、あっという間に羽田上空へ・・・。

しかし!ここでまさかの遅延のアナウンス!上空で30分ほど待機という・・・・。なぜーーーー。
近くの乗客がフライトアテンダントさんに理由を聞いていたので、耳を済ましたところ、「政府専用機が割り込んできたので・・・」ということで、同時刻に日米韓首脳会談に出席していたキッシーが米国から帰国した模様。えーーーーーー。
まあ一国の首相様ですからね、こちらの飛行機も本来この時間に羽田上空にいる予定ではなかったわけですし、優先するのは仕方がありません。
でもその会談、何か成果があったんでしょうね?・・・という気分に・・・。

政治方面に思いを馳せている間にやっと着陸し、降機したのですが、もうボーディングブリッジから皆さん小走りで、我々もその小走りの集団から脱落しないように移動します。
脱落したらライオンに食われるインパラのようなせっぱつまった気持ちで移動。
途中ターンテーブルの前で多くのインパラが脱落しました。機内に荷物を預けたインパラ達は誰も公共の乗り物には間に合いません・・・。
犠牲者を気にすることなく、小走り軍団はさらにペースを上げていきます。老婆(私)はもう息切れ動悸目眩が・・・長男はそんな私に目もくれず、軍団についていきます。長男を「・・・私達・・・行き着く先は同じだから・・・どこかでタクシーに乗る必要があって・・・君はお金がない・・・・」と必死に牽制し、見失わないようにします。
過去最高速度で到着ロビーを通過し、自分にまだその身体機能が残っていたことに驚きつつの三段抜かしで駅の階段を通過して、ギリギリ品川行きの終電に飛び乗ることができました。
車内の人々が全体的にハーハーと荒い息遣いで、同じ便の連帯感がありました。勝利を称え合いたいような気持ちでしたが、誰もそんなことをする素振りはなかったので、静かに息を整えました。

そして、その猛ダッシュを品川駅の山手線乗り換えでも繰り返し、なんとか一番近い駅まで移動。自宅最寄り駅まで向かう路線はすでに終電時間が過ぎていたので、そこからはタクシーに乗り、無事自宅に戻ることができました。
キッシーの割り込みでもうだめかと思いましたが、経済的ダメージ(タクシー代)は最小限に抑えることができたので、むしろ満足度が上がりました。
降機から電車に乗るまでの時間が5分以内というあり得ないスピードでしたが、最後まで「人間いかなるときも諦めてはいけない」という気づきがあり、学びの多い旅行だったと言えましょう。

広島一泊旅行を無駄に引き伸ばしまくった駄文を読んでいただきまして、ありがとうございました。