夜8時ごろ、ホテルに戻り、三人は部屋で映画を見ながらゆっくりするということでしたので、ママは散歩がてらちょっととなりのサンズマカオのカジノまで。グランド・ラパの中にも一応カジノはあるのですが、小規模でテーブルゲームだけの玄人っぽい雰囲気でしたので、やめました。

コタイ地区の統合リゾートはファミリー層も想定されているため、スタジオシティもそうですが、シェラトンなどにもドリームワークスのキャラクターがいたりして街全体がテーマパークのような雰囲気があるのですが、マカオ半島側のホテルはツアーで使われるようなホテルであってもサウナという名の風俗が併設されていたりするいわばアダルトなテーマパークになっており、雰囲気が違います。

ラパ近辺をふらふら歩いてみたのですが、夜は目的なく街歩きを楽しむという雰囲気ではなかっため早々に引き返しました。


そして、こちらの金色に輝く建物がサンズマカオです(これは昼間の写真ですが)。

サンズマカオは、パシフィカやベネチアンとはまた違う雰囲気で、本気モードの中国人が集まっているような印象を受けました。外観からしてギラギラしている欲望世界。時間帯によっても違うのかもしれませんが私はパシフィカの方が居心地はよかったです。


中央にステージがあり、時間によっていくつかのショーが開催されていて、ショーを見ながらカジノを楽しむことができます。
テーブルゲームにはところどころ人だかりができていて盛り上がっていたのに対し、スロットエリアはおまけのような感じで閑散としていました。観光客ではなさそうな男性が5,6人スロットエリアで手持ちぶさたにしているのが気になりました。知人に「闇貸金業者」だよと聞いたのですが、言われてみるとそんな気もします。
また、女性客はそもそもあまりいなかったのですが、観光客ではなさそうな女性はスロットエリアでちらほらお見かけしました。みなさん露出度高く、美人です。マカオは最近かなりその方面の取り締まりが厳しくなったようですが、どうなのでしょうかね・・。また、ハイローラーカジノテーブルに座っている男性の隣にいらっしゃる若い美しい女性も目立っていました。
欲望の形がわかりやすいですね。


そんな中、スロットへ。
パシフィカカジノで、その日に大当たりが出ている台の方がいいと感じたので、台の上の数字を頼りにゲーム台を慎重に選びました。
上限を自分の心の中では500HKDに設定。何かあった場合の予備として財布の中に500HKDをいれて、1000HKDでの勝負です。サンズカジノで勝負をしている人の中では最低ラインだと思うのですが、私にとっては大金です。

ステージのセクシーダンスを横目で見ながら小さくかけていたのですが、私の台がフリーゲームモードになりやすかったこともあってか、ミニジャックボットが数回連続した後に、ミドルジャックポットが炸裂し、あれよあれよといううちに、持ち金が約5000HKD(75,000円)ほどになっていました。
500HKDが5000HKDですよ!
あまり勝てないと言われているマカオのスロットであっという間に賭け金10倍。

アドレナリンか何か圧倒的幸福感を感じさせる物質が脳内に湧き出てきました。
一旦、払い戻しをし、心を落ち着けるべく、セクシーダンスを鑑賞。

ビキニのような露出度高い衣装を身につけたセクシーな女性が目の前で踊りまくっているのですが、大抵の人は血走った目で脇目も振らずに賭けています。

カジノは大人であれば入れるので、このショーだけ見にきたらとてもお得な感じがしますが、どうなんでしょうね。とりあえず夫に勧めることはしませんが。


ここで終わりにしたら勝って帰れる。最高の旅行にできる。

でも、私の中の悪魔が囁きます。マカオまできてテーブルゲームをしないなんて、女じゃないと。
500HKDの軍資金ではできないけれど、手元にはなんと5000HKDのあぶく銭がある。
今、私にビッグウェーブ来てる!いまだかつてないビッグウェーブが!
もうこの波に乗るしかない!

私の脳内に、プロジェクトX挑戦者たちの主題歌・中島みゆきの地上の星がながれはじめましたよ。

♩かぜのなかのすーばるーー
私は風を感じた・・・。
この波に乗らずにどうするのか・・・。
悩んだ。
・・・そして決断した。
大小に挑戦する・・・。

世の中のなんの役にもたたない、むしろ悪を後押しするようなプロジェクトが私の中だけでスタート。

とりあえず、中国人おじさんたちに混じってミニマムベット300HKDの大小のテーブルに座ってみました。
私のバイブルは前も書きましたが、何度も読み返した沢木耕太郎氏の『深夜特急』です。
深夜特急の中に大小をするシーンが出てくるんです。


そ・し・て・・・

もうびっくり。
あらびっくり。
深夜3時。気づいたら、収支がマイナス2000HKDに!!

ちょっとまってどこから湧いてきた2000HKD!!!!
おかしいなたしか負けても上限500HKDと決めていたはず!!!

なんか、深夜、ふらふらっとATMに行った記憶があるんです。
次こそ大だ・・・とか思って・・・。
あと500HKDだけ・・・って思って・・・・。
そしたら、恐ろしいことにカジノ内のATMの最低引き出し単位が1000HKDだったんですよね。
なんたる罠!
私のバカ!!!!!


あーーーーあーーーー。
プロジェクトX、素晴らしいですよね。
大抵の話は、苦境を乗り越えて、成功するみたいな話じゃないですか。
もはや失墜したままエンディング・・・・・。

♩(私のお金)今どーこにー、あるーのだろうーーー

いや〜怖いですね〜〜カジノ・・・。
そんなこんなで朝4時ごろまでカジノにいまして、ラパでスタッフに「楽しみましたか?」とにこやかな笑顔で聞かれる朝・・・。
様々な意味でものすごい罪悪感・・・。

自分で決めたルールを守れない人はカジノには行ってはだめだなと痛感しました
私、投資でも損切りルールを守れないので・・・・・。


起きてきた子供達が「ママ昨日どうだったの〜?」なんて聞いてくるのですが、もはや”昨日”ですらないですからね。
「・・うん・・・まあ・・・とんとんかな・・・・・・・・・・」
って、パパから目をそらしつつ、そう言うしかない・・・。
すごい広い”とんとん”の幅。

「いいなーーー俺も早くカジノで遊びたいなーー!」
という長男に、
君たちには、カジノでお金を浪費するような大人にはなって欲しくない
という、もう、
人生で一番心に響かない親の言葉」を捧げてみました。


”子連れでマカオ”の難点は、子供に「ギャンブル楽しそう」という印象を与えかねないということもありますよね。
急に心配になり、ギャンブルがいかに人生を破滅させるかについて、とうとうと語ってみたのですが、どの口が言うのかって話です。

人生、そこに落とし穴があるとわかっていても、落ちて行ってしまう時があるものですね・・・・・・。
あっという間に転落できる、ぽっかりあいた穴の縁を見たような気がします。
そこに落ちないのはやはり親だからというのはあるかもしれません(って十分落ちてる?)
家族ってありがたいなあ・・・。

私一人の旅行でしたら、間違いなく、朝食食べずにフェリー出航時間間際までリベンジに挑み、より傷を深くしていただろうなと思います・・・・・・・・。

あれですね。”ギャンブル依存症”はけっこうすぐ近くにありますね。
なぜなら私、明日にでもまたマカオに行きたいです。